商品詳細
県内ロングセラー!!
おもしろく、楽しく、わかりやすい!
小学生から大人まで楽しめる琉球歴史の保存版!!
琉球の歴史の中には、風の向き・潮の流れを読む先人の知恵と、
海を越えて交流するコミュニケーション力がちりばめられています。
この小さな島の歴史にある「先人の知恵と開かれた心」は、
大きな誇りなのです。
【女性ものがたり】
～はじめに～
琉球の歴史は、空白の歴史といわれています。
それは、ほとんどの重要な記録が焼失してしまったからです。
廃藩置県後、
明治政府から沖縄県知事に任命された中央からの出向者によって、
首里城にあった古文書、家系図、肖像画、資料、
等の貴重品が東京に移転、保管されたのですが、
大正十二年(一九二三)の関東大震災によって焼失していまいました。
さらに、太平洋戦争によって沖縄に残されていた資料類も消失したため、
琉球の歴史は日本史に比べると
ミッシング・リンク(失われた歴史の環)が多いのです。
源為朝の子で琉球最初の王と言われた舜天王、
太陽の子とうたわれた名君・英祖王、
天女の子と呼ばれ国際貿易の設立者となった察度王、
戦乱を統一した尚巴志王、
明治まで四百年続いた第二尚王朝の礎をきずいた尚円王等々...
の資料も伝説、口説でしか残されていません。
また、これまでの琉球歴史には、女性はほとんど登場しませんでした。
特に、十六世紀以前は、皆無と言えます。
しかし、十六世紀以降は、神女が政治と深く関わるようになり、
国王の姉妹が国の守護神である「聞得大君」として即位すると、
女性の社会的地位と役割が認知されるようになります。
しかし、それもつかの間、一六〇九年の薩摩の琉球侵攻以降、
再び女性達は歴史の厚い扉の中にとじこめられてしまいます。
歴史とは(ヒストリー)とは、
ギリシャ語のヒストリアル(物語)が語源とされています。
また、歴史は生きた人間のドラマであるとも言われていますが、
英雄、英傑(ヒーロー)だけでドラマや、物語が生まれるわけではなく、
実際には女性(ヒロイン)もまた、重要な役割を果たしています。
従来の日本史、琉球史は、
十九世紀以降の男尊女卑の儒教社会の中で編纂されてきました。
その意味では、新しい視点で歴史を見なおす必要性があります。
とくに母権制を基盤にした琉球の女性史は、
本土の女性史とは異なる特色を有しています。
・幼いわが子を国王の座につけるため権謀術数を操り、
女帝として君臨する王妃...
・国王の妹として生まれながらも、
女性の幸せを封印し神職に身を捧げる王女...
・久高島の神女としての神職を捨て、
若き国王との愛に身を滅ぼす神女...
・夫の国王と敵対する戦国大名の父とのはざまで、
娘の王女まで政略に奪われる王妃...
・夫を島流しにされ、
生活に敗れて国王の愛を受け入れ側室となる女性...
・戦乱をたいらげて与那国の女王となり、
島を繁栄させついには、神となる女性...
・公式の場で、国王の頭をキセルでたたく烈女...
琉球の歴史には、
歴史に記録される王妃や王女以外にも無名の女性達が数多く登場します。
王妃であっても、意図的に名を消された人物もいます。
これらの女性達一人一人が歴史の中で果たした役割は、
有名無名の理由で区別されるものではありません。
むしろ無名の女性の中にこそ、重要な人物が存在します。
歴史の中の女性達を追及することで、
琉球史はこれまでと違った様相を呈し、
新しい視点で琉球史全体を見ることが出来ます。
【目次】
●第一章 琉球王国の誕生
第一節 琉球列島の夜明け
・琉球歴史と風土のつながり
・亜熱帯海洋性気候
・海外との距離
・琉球諸島海域に渦巻く大自然のエネルギー
第二節 神々と、琉球の女性とのつながり
●第二章 女史列伝
第一節 古代～浦添王朝編
・アマミキヨ...沖縄の天照大神
・久高のノロ...沖縄の卑弥呼
・勢理客のノロ...北山王国の守護神
・舜天の母 真鍋樽金...源為朝の妻伝説
・英祖王の母...「太陽の子」を生む女性
・察度王の母...天女伝説に包まれた女性
・志慶真乙樽...忠義に生きた貞婦
第二節 首里王朝編
・尚巴志の母...稀代の英雄の母
・尚泰久王妃...琉球国のお市の方
・百度踏揚...琉球の千姫
・国笠...王との純愛に生きる女性
・おぎやか...琉球国最初で最後の女帝
・音智殿茂金...琉球初の聞得大君
・居仁...政争の犠牲となる女性
・サンアイ イソバ...与那国島の女王
・鬼虎の娘...宿敵の愛人となる女性
・真壁按司加奈志...王妃を追放する、烈女
・亜佳度...経済的に自立した女性
・君南風...久米島の最高神女
・真呉瑞...貞婦とうたわれた女性
・平敷屋朝敏の妻...薄幸の女流歌人
・安谷屋真鍋...家庭を捨て、栄達を手にした女性
